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お知らせ

2025年10月30日

水族館×IoT
巡回点検システムを横浜・八景島シーパラダイス様に導入いただきました。
~IoT技術を活用して点検業務の効率化を実現~

写真:今回システムを導入いただいた横浜・八景島シーパラダイス「ふれあいラグーン」(同社提供)

■横浜・八景島シーパラダイスはこんなところ

今回、本システムを導入いただいた横浜・八景島シーパラダイス様は4つの水族館やアトラクション、レストラン、ショッピングストア、ホテルが併設する複合型レジャー施設です。なかでも水族館では、700種12万点の生きものがくらす日本最大級の「アクアミュージアム」、幻想的なイルカの水族館「ドルフィンファンタジー」、観る・知る・獲る・食べるをテーマに釣り体験などが楽しめる水族館「うみファーム」、生き物たちと間近でふれあい体験が楽しめる水族館「ふれあいラグーン」の4つのエリアで構成されています。今回はふれあいエリア「ふれあいラグーン」の設備点検に弊社のシステムを導入いただきました。

■システム概要

「ふれあいラグーン」の水処理設備および水槽設備のデータ(圧力・水温)をセンサ、IoTゲートウェイを使って収集し、データを館内事務所に設置されたサーバへ集約します。集約したデータを元に設備の遠隔監視を実現しました。圧力や各種水槽の温度などをリアルタイムで把握することができます。また従来の紙ベースの点検報告書を電子化し、点検業務をタブレット1台で完結できるようにシステムを構築。自動で収集しているデータ(圧力・水温)は点検報告書に自動転記を行い、これまで報告書内で計算が必要な箇所もシステム側で自動計算を行うようにしました。設備の遠隔監視と点検報告書の電子化の2つの面で点検業務をサポートしています。

■システム構成図

■導入までの背景

システム導入前は1名の担当者が1日に2回、設備の点検箇所を目視で確認し紙の点検報告書に記録を行っていました。広い館内のため、点検作業には時間もかかり記入する計測値にもばらつきや記入漏れなどがある、といった課題がありました。また完了した点検報告書の管理にもおいてもデータをさかのぼるのにも手間がかかり、管理も大変でした。これらの課題をIoT技術を活用して効率化、作業負荷の軽減を目的にシステムを導入していただきました。

■POINT1.サーバを設置し館内でデータ管理を完結

本システムは弊社が運用しているクラウド型遠隔監視システムDATAvisをモデルに構築しています。横浜・八景島シーパラダイス様からデータ管理を館内で完結させたい、というご要望があり、クラウドシステムの機能はそのままにオンプレのシステムを構築しました。

■POINT2.セキュリティ面にも配慮

システム構築にあたりセキュリティ面も重視しました。館内にはWi-Fi環境が整備されているものの点検作業専用の通信環境ではないため、利用が難しいという背景がありました。その為、今回は閉域SIMを使い、閉域網で通信環境を構築しました。閉域網とはインターネットに接続されていない、特定の利用者だけが利用できる安全性の高い閉じたネットワークのことです。サーバとIoTゲートウェイ、タブレット間を閉域網で通信を構築することで既存のWi-Fiに頼らずよりセキュアな環境でデータのやり取りを行うことができます。

写真:圧力を自動計測するセンサ
写真:タブレットを使った点検風景

■横浜・八景島シーパラダイス担当者さまから

「点検報告書を電子化することでこれまでの点検作業に比べると時間や手間を省くことができました。既存設備の状況に応じた適格なご提案をいただけたと思います。今回はふれあいラグーンのみの導入でしたがこれから実際に活用していき、他エリアへの導入も検討していきたいと考えています」

最後に今回のシステム導入にあたり、構築から運用まで丁寧にご相談に乗ってくださった飼育技師の皆様、そして導入後のインタビューにご協力いただいた皆様のお力添えのおかげで、スムーズに進めることができました。本当にありがとうございました。