CBM-X

プロアクティブ予兆保全システムのすすめ

予兆保全からプロアクティブ予兆保全へ
AIと相関抽出法による次世代保全システム

予兆保全から更に一歩先へ。
従来の予兆保全は、設備や機械の故障を未然に防ぐために、
予兆を検知して最適なタイミングでメンテナンスを行う手法として活用されてきました。
私たちは従来の予兆保全では検知できない「劣化の要因」を自動推定し、
装置の寿命延長が可能となる「プロアクティブ予兆保全」をご提案します。

システム構成図

設置例

横浜市水道局様への設置例

サーバも大がかりな工事も不要
設置したその日からご利用いただけます

特徴

・ポンプに設置する振動センサは無線通信※対応
マグネット取付で取り外し簡単・配線工事不要
・IoTGateway は LTE SIM 内蔵。
設置したその時からクラウドと通信可能
・データ管理と解析などはクラウドで新たなサーバ機材等も不要

可能となること

・定期点検の計画を無駄なく組め、コスト削減
定期点検以前に異常に気付くことができ、素早い対応が可能
・故障前に予兆することで、プラントの信頼性を高め
停止時間の最小化が見込める
・納品機器に予め組み込むことで、顧客満足度を高める

取得データ 生振動加速度を取得

同クラスの振動センサとしては高性能な5kHzの帯域を取得可能です。多彩な振動解析が期待できます。データ取得周期などもクラウドから調整可能です。

項目 内容
メーカ 株式会社イージーメジャー
型式 WASABI-V
加速度レンジ 最大±16G (156.9m/s^2)
測定レート 最大 26667 Hz
無線方式 Bluetooth Low Energy 5.0
固定方法 マグネット or M6ネジ 深さ5mm

演算データ 解析データの演算

取得データに種々の演算手法を利用して解析に有効な情報を算出していきます。
実効値(RMS):振動のパワー(強さ)に相当する要素です。ISO で基準が定められており、設備診断の重要な要素です。
クレストファクタ(C.F):ピーク値と実効値の比です。
周波数解析:高速フーリエ変換という手法を用いて、周波数帯毎の値を抽出します。機械部位毎に固有の振動周波数が存在するため、振動の部位(原因)を推定することができます。
エンベロープ処理:振幅の外形を取り出す処理です。転がり軸受など異常部位の推定に役立つと言われています。

プロアクティブ保全とは

プロアクティブ保全(Proactive Maintenance)とは、設備の故障を未然に防ぐための保全手法の一つで、従来の事後保全や予防保全とは異なり、故障の原因となる劣化要因を自動推定し、その要因に対する対策を講じることにより、設備ライフサイクルの延命とコスト削減を実現するものです。
振動解析でプロアクティブ保全を実現するために「相関抽出法」を活用します。

設備ライフサイクルの延命

早期に劣化要因を検出することにより、劣化要因への早めの対処(潤滑改善・軸ズレアライアンス処理等)を行ない、ライフサイクルの延命を実現します。

相関抽出法とは

相関抽出法とは、フーリエ変換によってスペクトル化した波形データから、特定の周波数帯における時間的変化に着目して解析を行う手法です。この方法は、プロアクティブ予兆保全を実現するための現実的なアプローチであり、機器の劣化状態を示す指標であるDI値(Degradation Index)を算出することが可能です。

  1. ①基準データの時間波形をN分割する。
  2. ②各分割波形をフーリエ変換してスペクトル分布を求め、帯域に分割する。
  3. ③2つの帯域f1とf2でのデータの強さをX1、X2とする
  4. ④各時刻での点(X1,X2)をプロットし、全体を直線Zで代表する。
  5. ⑤各点から直線Zへ下した垂線長は情報の損失量Liとなる。
  6. ⑥この損失量Liの総和が最小になるように係数のW1,W2を決定する。
  7. ⑦特徴量Zを求める
    Z=W1*X1++W2*X2
  8. ⑧基準時の分布Z0と監視時の分布ZAの乖離度「DI値」を求める

特許取得済み

劣化要因の自動推定

実際のデータを使って劣化要因の推定を行った結果です。72%の確率で「コスレ」の現象、つまりグリース量不足に起因した金属接触が発生していると推察されます。劣化要因の自動判定が実用性レベルにあることを認めてていただきました。

(横浜市水道局 仏向ポンプ所実証実験より)

特許取得済み

AIによる異常判定

AIの教師なしモデルの1種であるオートエンコーダという手法を使って正常な波形の復元を学習させることにより、異常な波形を検知します。復元誤差のバラツキを標準偏差からどれほど離れているかということを閾値として管理し異常判定を行います。
基準(正常波形)を一定期間学習させる「学習モード」を実施した後、「判定モード」に切り替えます。基準は、オーバホールや精密点検時に行うことを推奨します。

実際の画面例(見える化)

  • 機器監視

    1つの機器毎に、任意の計測値を指示計やグラフをグループ化して表示する事ができます。異常判定状況により枠の色替えで注意喚起します。

  • ポンプ属性・保全履歴

    機器類の属性情報や保全の履歴を pdf や写真情報と合わせて管理可能です。

  • グラフ化

    「取得データ」「解析データ」「偏差データ」など様々なデータをグラフ表示します。グラフは、段組みでの表示や重ね合わせての表示が行えます。

  • クラウド

    「見える化」の機能は、弊社が運用する AWS ベースのクラウド機能にて提供されます。それ以外にも、解析データの演算、人工知能(AI)による推論、統計処理などもクラウド上で行われます。

CBM-X
(プロアクティブ予兆保全)
こんな方におすすめです

・24時間連続操業のプラントで、極力プラントを止めたくない
・上下水道施設、電気設備など公共インフラに絡むようなプラント
・非常い多くのポンプなどから構成されており、順番に止めて点検が難しい設備
・ライフサイクルコスト削減へ努めたい
・施設の老朽化や人手不足、熟練者の高齢化に迅速かつ効率的に対応したい
・プロアクティブ予兆保全を取り入れることで顧客へのPRを図りたい、満足度を上げたい